金属アレルギーについて

  • 2019年05月21日

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本日は歯科金属アレルギーについてお話させて頂きます。

 

通常、金属アレルギーの原因としては、ピアスや時計などのアクセサリー類が主に考えられます。しかし最近では、歯科用の金属材料が生体に及ぼす影響が重く考えられています。歯科金属アレルギーとは、詰め物や被せ物など、歯科での治療に使用される金属の関与が疑われる金属アレルギーの総称です。

 

症状として、口腔内では金属と口腔粘膜との接触部に起こる接触皮膚炎や粘膜炎が挙げられます。また、口腔から離れた場所、手の平や足の裏にも湿疹や水膨れが起こり得ます。

 

歯科金属アレルギーが発症するメカニズムに関しては、多くの研究施設で研究は進められていますが、未だに不明な点は多いです。ただ、歯科用金属材料には、合金として他種類の金属が用いられており、それぞれのイオン化傾向が異なる為に、口腔内で金属がイオン化して体内に取り込まれ易いという事。また、口腔内には唾液、血液、食物残渣など金属の溶出を促す因子が存在する為に、歯科用材料が金属アレルギーを起こしやすいという事が考えられています。

 

金属は歯科治療に欠かせない材料でもあると同時に、金属アレルギーを起こすリスクをも併せ持っています。例えば、歯科用材料に金銀パラジウム合金という金属を用いる事があります。これは主にインレーやクラウンに用いられる金属です。合金の組成は金12%、パラジウム20%、とJIS規格に定められていますが、その他にも銀や銅、インジウムなどをメーカーにより異なる組成で加えられます。この様に多種に渡る金属を含んだ合金は、イオン化傾向の差によって溶け出し、体内に取り込まれてアレルギーを発症する可能性がある事は先にお話しさせて頂きました。

 

金銀パラジウム合金は保険治療が効く為に、歯科材料では最もメジャーに使われる材料の1つです。結果として、安価で修復用の材料を用いる場合には、金銀パラジウム合金を用いる事が多くなると考えられます。つまり、金属アレルギーを避ける為に金銀パラジウム合金を使用せずに歯冠修復を行う場合、治療費がより多くかかってしまうと考えられます。

 

金属アレルギーを防ぐ手段としては、2つの方法が考えられます。1つは、治療の事前に患者さんに対して金属アレルギーのテストを行う方法、そしてもう1つが金属材料を使わない歯科治療をする方法です。

前者の事前の金属アレルギーテストに関しては、患者さん個人にアレルギーテストを強制させる事は時間的、費用的にも難しい為に、実現は難しいと考えられます。その為、現実的には後者の金属材料を使わない歯科治療を行う事が金属アレルギーを防ぐ手段として重要であると考えられます。しかし後者も、材料によっては安価で治療に望む事は難しいのが現状です。

 

しかし近年では、様々な非金属材料が保険診療で使用可能になって来ています。例えば、2014年での診療報酬改定では、小臼歯部でCAD/CAM冠と呼ばれる金属を用いない白い被せ物が保険導入されました。今後、保健治療が可能な材料にセラミックなどの他の非金属材料が認められる事があれば、金属に代わり積極的に非金属材料を用いる事も可能となると思われます。

 

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咀嚼と健康

  • 2019年05月14日

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今回は咀嚼と健康について説明させて頂きます。やせたいのに、ついつい食べ過ぎてしまうことは日常ではよくあるのではないでしょうか。こういった現象には、脳の仕組みが関係していると言われています。糖質や油脂など、おいしいものを食べると、脳内でβエンドルフィンという快感物質が出て、摂食中枢を刺激します。そのため、意志の力だけでは食欲が抑えられずに、必要以上の量を食べてしまうことになるのです。またいっぽうでは、脳内には食欲を抑える物質も備わっています。それが神経ヒスタミンです。脳内の神経ヒスタミンが満腹感を強め、食欲を抑制することが研究で発見され、さらにはその脳内の神経ヒスタミンが噛むことで増やせることも解明されたそうです。つまりは、よく噛むことでヒスタミンを増やせば、ダイエット効果にも期待できるそうです。食欲を抑え、内臓脂肪を燃焼させる神経ヒスタミン。これを脳内で増やす方法として、毎食30回噛む、30回咀嚼法があるそうです。一口を30回噛めるようになると1食の口数が40から50口に増え1食20分から30分かかるようになります。さらには1日に4回、起床直後、朝食直後、就寝直後に体重をはかってグラフ化します。すると、体重が増えても、その原因を見返して、すぐに修正できます。そのために、リバウンドを抑えることができるのです。実践のポイントを絞った簡易法もあります。3食続けるのは難しい、1日に4回の体重測定は負担という方には、野菜から食べ始め10分間よく噛むことに加えて、起床直後だけ体重をはかる方法。その後、夕食をよく噛んで食べます。その効果を、翌朝体重をはかることで確認できるのです。健康のためには、糖尿病や心臓病をはじめ、さまざまな病気を引き起こす内臓脂肪を減らす事が重要です。噛むことで神経ヒスタミンの作用で効率よく内臓脂肪をよく落とせるそうです。よく噛む習慣をつけて、健康的な生活を目指してはどうでしょうか。またよく噛むクセをつけるコツとして野菜や海藻、キノコの本来のうまみを味わいながら噛む、食事の最初に10分間タイマーをかけ、時計を気にせずに噛むことに集中するといったものがあげられます。以上から噛む事と全身に対する作用と効果を説明させて頂きました。是非、手軽に続けやすい方法を皆さんは見つけて頂いて、健康的な毎日を送られて、食事をされてみてはいかがでしょうか。

 

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オーバーブラッシング

  • 2019年05月07日

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今回は、「ゴシゴシ磨き」別名「オーバーブラッシング」の害についてお話していきたいと思います。

ところで普段、皆さんがされているブラッシングは、過去に学校や通院されている歯科医院で、正しいブラッシングを指導されていたかと思いますが、

気がつくと、自己流のブラッシングに戻ってしまい、現在では、かなりアレンジされている方が多数いらっしゃることと思います。

実は、それは自然なことなのですが、気がつかないうちに、過度のブラッシング圧が歯の根元にかかってしまい、歯のすり減りが起こってきてしまうのです。

自分自身で、健康な歯をブラッシングで無意識に削ってしまっているのです。もったいないことです。

歯の根元の磨り減りが大きいと、知覚過敏になったり、重度な方だと神経まで、取らないといけないことになります。

歯の神経を取ると歯の寿命が短くなると言われています。症例によっては、歯を虫歯でもないのに、早期に失うことにもなりかねません。

 

それでは、どうしたら歯の磨り減りを招かずにブラッシングすることができるのかということですが、

基本的に歯磨きで、重要なのは、病気のもととなる悪い影響を及ぼす汚れを落とすことです。

それは、歯ブラシ以外で、汚れが落ちれば、ブラッシングしなくても問題ないということにもなります。

歯ブラシに頼る予防をしなくとも大丈夫、という内容の書籍が数多く出回っていますが、だいたいはそのような内容でした。

私としては、定期的な検診が時間的に可能で、実際定期的に受診されている方であれば、問題ないのですが、

そうできない方が、それらの方法を実践されるとなると、後々取り返しがつかない事になるような気がしてなりません。

歯ブラシを使わないことで、落ち切れなかった汚れが、頑固な歯石に変わったときに、どうなってしまうのか、

検診を受けられず、そのまま重度な歯周病になってしまったら、それはそれは恐ろしいことだと思います。

それと、ブラッシングの他に、歯の磨り減りを招く原因として、その人それぞれの生理的な習慣で、歯にヒビが入ったり欠けたりすることはけっこうあることなのですが、

それは自然な生理現象で、変えようと思ってもなかなか変えられないものなので、避けられないものと考えたとき、

変えられるものは何かと考えてみたら、日常のブラッシングを少しだけ工夫して、歯によりダメージを与えないようにするのも、賢い選択肢と言えるでしょう。

日頃何気なくやっている歯磨きですが、一日3回歯磨きをされる方は年総回数は1000回以上、ケアされている計算になります。その回数分、歯にダメージがかかる訳です。

 

とにかく歯にダメージを与えないようにする歯磨きの方法として、私が考えるブラッシングのコツとしては、できるだけ柔らかい毛先の歯ブラシを使ってペングリップで持ち、

歯磨き粉を米粒1個程度の量で、口の隅々までやさしく磨くことです。そしてそれでも落ちなかった汚れは、定期健診で取るという方法です。

 

私の場合ですが、歯周病が重度に進行している方で、優しいブラッシングがうまくいっていない方などを、

症例によっては外科手術後に使用するものすごく柔らかい歯ブラシをお勧めしたりすることもあります。

 

日々のケアは皆さんが考えているよりも、とても重要です。歯に優しいブラッシングを取り入れて快適な生活を送っていただきたいと思っています。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

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TOOTH WEARとは?

  • 2019年03月26日

 

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tooth wear という言葉聞いたことありますか?

 

tooth wearとは、簡単にいうと虫歯(う蝕)ではないのに歯が欠けたり、溶けたりする病気のことを指します。

tooth wearとは、う蝕原因菌によらない歯質表層の損失であり、生活習慣に大きく影響される多因子性疾患です。従来はう蝕や歯周病が歯科の2大疾患といわれてきましたが、tooth wearはう蝕や歯周病に次ぐ第3の疾患として注目されています。

tooth wearを引き起こす原因として一般的に「①アブフラクション」「②咬耗」 「③摩耗」 「④酸蝕」の4つがいわれていますが、詳しい因果関係については解明されていません。

 

アブフラクション(abfraction)

強い咬合や咬合異常によって力の加わった部位に対応する特定の歯頸部表層に引っ張り応力が生じ、エナメル質および象牙質が破壊されて欠損が生じると考えられています。

 

② 咬耗症(attrition)

歯と歯あるいは食物と歯が繰り返し接触することにより接触部のエナメル質および象牙質に実質欠損が生じます。歯の咬耗は長期間かかって起こるもので、咬合力、歯ぎしりや歯のくいしばりの習慣、食物や嗜好品の硬さ、歯の石灰化の程度などの因子、およびかみ合わせの修復物の性状(硬さ)によって影響されます。特に歯ぎしりや食いしばりの習慣を有する場合は著しい咬耗がみられ、一般に若年者より高齢者の方がまた女性より男性の方が咬耗の程度が高度です。

 

③ 摩耗症(abrasion)

研磨性の強い歯磨剤を用いた過度の歯ブラシ使用やパイプの常用などによる習慣性摩耗と、ガラス職人、大工、靴工、美容師や管楽器奏者など業務内容に必須の道具を特定の歯・歯列により保持することによって生じる職業性摩耗とがあります。また、義歯のクラスプ(ばね)によって摩耗が生じることもあります。

 

④ 酸蝕症(erosion)

酸の作用により歯質が表在性に脱灰される(歯が徐々に溶解する)ことです。

⑴ 職業性

塩酸、硝酸など強い無機酸を取り扱う従事者に歯の侵蝕がみられます。

⑵ 飲食物

酸性の食品の多量摂取により起こります。

⑶ 疾患

逆流性食道炎、拒食症など胃酸が口腔内に逆流することによって生じます。

 

tooth wearの臨床所見をどのように評価し、それがどのような原因によるものかの判断は非常に困難であり、一致した見解がないのが現状です。

tooth wearの対策としては原因が多岐にわたるため、歯科医師と十分に話し合いながら、生活習慣との関連を検証する必要があります。

ぜひ上記の状態に当てはまると感じた方、歯科医院に相談してください!

 

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歯に原因が無いのに歯に痛みを感じる病気について

  • 2019年03月19日

 

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今回は歯に原因が無いにも関わらず、歯に痛みを感じる状態。いわゆる非歯原性歯痛における、代表的な2つの疾患についてお話させて頂きます。

 

1、筋・筋膜性歯痛

筋・筋膜性歯痛は、非歯原性歯痛の疾患として多く認められるものの1つです。主に夜間のブラキシズムや日中の上下歯牙接触などが原因で、咀嚼筋の過度な緊張、疲労状態が続く事で発症します。痛みの特徴としては、局所の鈍い、疼く様な痛みと筋・筋膜に限局する、トリガーポイントと呼ばれる圧痛点が存在する事。そしてそのトリガーポイントが圧迫される事で、実際には原因が無い様な口腔内や歯牙に関連痛が発生する事が挙げられます。

筋・筋膜性歯痛の治療法としては、マッサージや温冷罨法、レーザー療法や電気療法といった理学療法が推奨されています。また、診断的な治療方法としてはトリガーポイントに対して局所麻酔の注射をする事で、歯痛の減少の有無を確認するといったトリガーポイントインジェクションといった方法が行われています。

 

2、神経障害性歯痛

神経障害性疼痛の1つである三叉神経痛により、歯牙に問題が無いのにも関わらず歯痛が生じる事があります。三叉神経痛は、血管や腫瘍の圧迫、脱髄性病変などにより神経根に脱髄が生じ、その部に異常発火が生じる為に発生すると考えられています。その症状としてはいわゆる電撃様疼痛であり、トリガーゾーンと呼ばれる誘発部位への刺激により、激烈な痛みが発作的に数秒間続きます。トリガーゾーンへの刺激は、食事や会話、洗面や歯磨きといった些細な非侵害的なものも含まれる為に、初めに歯医者に訪れる機会も多い疾患です。

三叉神経痛の治療法としては、薬物療法が特に有効であるとされています。国神経学会(AAN)と欧州神経学会(EFNS)の合同で作成された三叉神経痛治療ガイドラインによれば、カルバマゼピンという薬を第一選択とする事が推奨されています。

 

以上、非歯原性歯痛の代表的な疾患である筋・筋膜性歯痛、三叉神経痛の2つについてお話をさせて頂きました。この2つ以外にも、帯状疱疹性神経痛や上顎洞性歯痛など、歯が原因でないのにも関わらず、歯に痛みが現れる疾患は他に数多く存在します。

必ずしも歯が痛い=歯に原因がある、という訳ではない。

文章は長くなりましたが、この事だけでも覚えて頂ければ幸いです。

 

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第二回口腔解剖学講座

  • 2019年03月12日

 

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今回は前回の『歯の構造』に引き続き、歯の周りの構造『歯周組織』についてです。

 

歯周組織は歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質の4つの組織から構成され、歯を支えるような役割の組織です。歯周組織に炎症が生じている病態が歯周病です。

それでは、各構成組織をみていきましょう。

 

①歯肉(しにく)

所謂、歯茎と言われる組織です。歯周組織のうち外側から唯一見える部分で、粘膜と呼ばれる軟組織です。健康な歯肉はピンク色または淡い赤色をしています。しかし、汚れがたまり炎症が生じると、赤みが強くなり、ぷっくり腫れ、触ると出血するようになります。これが歯肉炎です。歯肉炎は歯周病の始まりです。もしみなさんの歯肉がこのような状態なら、もう少し歯磨きを頑張る必要ありですね。

歯肉はさらに付着歯肉と遊離歯肉に分けられます。

付着歯肉は、歯や歯槽骨と結合しており、動かない部分の歯肉です。遊離歯肉は、歯に結合していない辺縁の歯肉です。歯と遊離歯肉の間の溝は歯肉溝と呼ばれ、通常1mm前後の深さがあります。歯周病が進行すると、後述する歯根膜や歯槽骨が破壊されて歯肉溝は歯周ポケットと呼ばれる深い溝になってしまいます。

 

②歯根膜(しこんまく)

歯根膜は、歯根と歯槽骨の間にある線維性の結合組織で、歯周靭帯とも呼ばれます。歯と骨を繋ぎ止める役割をするとともに、クッションのように咬む力を吸収・分散したり、咬む力を刺激として受容し脳に伝えその力をコントロールする役割も担っています。

健康な歯でもわずかに揺れるのは、この歯根膜があるためです。骨と直接結合させるインプラントには歯根膜がないため、歯は揺れず咬み心地も異なります。

歯根膜には神経も分布しているため、炎症が起きると痛みを感じます。咬んで痛みを感じるのは歯根膜に炎症生じている状態です。歯根膜に炎症が起きる原因として、虫歯・歯周病の他に歯ぎしり・食いしばりや咬み合わせが悪い、外傷などもあります。

 

③歯槽骨(しそうこつ)

歯槽骨は、顎の骨の中で歯を支えている部分のことです。歯根膜、セメント質を介して歯と繋がっています。歯周病が進行すると歯槽骨は吸収し、歯はぐらぐら揺れて最終的には抜けてしまいます。吸収されてしまった歯槽骨は特別な治療法をする以外は基本的には元には戻りません。したがって、歯周病にならない、進行させないために日々の歯磨きが非常に大切です。

 

④セメント質

前回の『歯の構造』でも紹介した、セメント質ですが、厳密には歯周組織の仲間です。詳しくは第1回口腔解剖学『歯の構造』へ。

 

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第一回口腔解剖学講座

  • 2019年03月05日

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自身の勉強を含めて口腔の解剖学についてお伝えしていきたいと思います。ということで第1回口腔解剖学講座は『歯の構造』についてです。

 

みなさん、お口の中に歯は生えているかと思いますが、それがどのような構造をしているかご存知ですか?あまり気にはならないですかね…

ですが、少しでもお口の中に興味を持つことこそが、お口の中の健康を保つ第一歩だと思っています。

 

歯は構造から主に、エナメル質、象牙質、歯髄、セメント質に分けられます。

 

①エナメル質

歯冠部を覆う、歯の表層の組織。つまり、お口の中を覗いて見える歯の表面の構造です。

透明感のある白色を呈し、歯を外来刺激から防ぐような役割をしています。

実はこのエナメル質、人体の中で一番硬い構造物なんです!エナメル質の97%はハイドロキシアパタイトというリン酸カルシウムの一種でできており、ほとんど無機質でできています。

しかし、エナメル質は意外とデリケートで、酸によって溶けてしまうのです。ご存知の人もいるかと思いますが、虫歯ができるのもこの性質のせいですね。ただ、エナメル質には、再石灰化という驚くべき性質もあり、唾液中のカルシウムやリン、歯磨き粉などに含まれるフッ素を取り込み、少し溶けただけなら、再び硬く戻ることができるのです。

 

②象牙質

象牙質は、歯冠部ではエナメル質と歯髄、歯根部ではセメント質と歯髄の間に位置する歯の大部分を占める組織です。黄褐色をしており、エナメル質に比べ軟らかく、硬度は骨と同等です。硬さはエナメル質に劣りますが、弾力性があり咬み合わせの刺激により脆いエナメル質が破折するのを防ぐ役割をしています。

エナメル質よりも軟らかいため、虫歯が象牙質に達すると急速に進んでしまうことが多いです。また、象牙質には象牙細管と呼ばれる無数の細い管があいており、これは歯髄と繋がっています。そのため、虫歯が象牙質に達すると痛みを感じやすく、象牙質に達する虫歯を治療する際は麻酔が必要になってきます。

 

③歯髄

‘歯の神経’とよく言われる部分です。歯の構造の中で唯一の軟組織で、象牙質に囲まれた歯髄腔に存在し、歯の中心に位置します。

歯髄に分布する神経は、痛みを知覚する神経のみで、熱い冷たいなどの刺激も全て痛みとして感じます。

歯髄は、厳密には神経だけでなく血管組織やリンパ組織、その他多種多様な細胞成分からなり、歯の栄養供給と免疫機能も担います。そのため、歯の神経を抜く、すなわち歯髄を除去すると、知覚がなくなるだけでなく、歯は脆く弱くなってしまうといわれています。ただし、虫歯などによりズキズキ痛くなってしまうほど歯髄が炎症状態になってしまうと歯髄は元の状態には戻ることができないため、神経を抜くことが必要となるのです。

 

④セメント質

歯根と呼ばれる歯の根っこの部分の表面を薄く覆う組織です。硬さは象牙質よりも少し軟らかい程度です。歯根膜と呼ばれる線維で骨と繋がっており、歯と顎の骨を繋ぎとめる役割を担っています。

普段、歯茎の中に埋もれているセメント質ですが、歯周病などにより歯茎が下がり歯根が露出すると、見えてきます。セメント質もやはりエナメル質に比べ弱いため、虫歯になりやすいです。また、露出したセメント質は傷ついたり剥がれたりしやすく、その下の象牙質がむき出しになると知覚過敏が起こりやすくなります。

 

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歯周病が原因で起こる知覚過敏について

  • 2019年02月25日

 

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今回のテーマは知覚過敏について、お話させていただきたいと思います。

皆さんは、知覚過敏という言葉はご存知ですか?

最近はTVのCMや、薬局のはみがきコーナーでよく見かける言葉だと思います。

どんな意味で使用されているかは、かなりあいまいな感じだと思います。

私達が、知覚過敏と診断するときは、いろいろなケースがありますが、

今回は、歯周病が原因で起こっている知覚過敏についてご説明させていただきます。

知覚過敏は歯がしみるという症状の病名なのですが、基本それは虫歯ではない歯のことをいいます。

虫歯ではないのに、どうして歯がしみるのか?そこが疑問だと思います。

まず、歯の中の神経の痛覚についてですが、歯の神経は温度差やいろいろな刺激を受けると、すべて痛みとして感じられることが知られています。

例えば、暖かいもの冷たいものの刺激が、すべて「痛み」あるいは「しみ」として感じられるということです。

歯周病は歯の周囲の土台組織、例えば歯を支えている骨や軟組織(粘膜や筋組織や神経組織等)が、弱って薄くなっていく病気です。

歯を支えている、大切な土台が弱っているために、歯がグラグラになり、いずれ抜けて(抜歯せざるを得なくなって)いってしまう病気です。

この病気の怖さは、進行していても、大体のケースで無症状で進行し、気がついた時には、ほほ手遅れというケースが多いのです。

最近の日本人の虫歯の数は全国的に減少傾向にありますが、歯周病については、一般的にあまり関心をもたれていない方が多いようです。

最近、歯科検診の大切さを、どこかしらのメディアで報道されている事が多々ありますが、だいだいこのことをいっているのです。

ここで、本題ですが、知覚過敏を主訴とする患者さんで、歯周病を患っていることを自覚されずに、受診される患者さんが大変多いのです。

歯を支えている骨が、歯周病で半分くらいになっていても、自覚症状なく、「しみている歯をどうにかしたい。」といらっしゃるのです。

歯を支えている骨やはぐきはいわゆる「歯の洋服」です。洋服が薄くなったら、歯が「寒い」と感じます。ここでわかりましたよね。

歯の神経は、冷たさや暖かさ、その他の刺激を「痛み」として感じます。それで、「歯周病による知覚過敏」がおこるわけです。

ただの知覚過敏ではなく、おおもとのところ、つまりは「歯周病」なのです。

定期健診の大切さは、このことからわかります。歯周病は、検査してみないと患者さん自身でも病状が自覚できない怖い病気です。

患者さん自身でも、病状を早期に指摘されることで、いろいろな対策がとれます。

自分自身の歯を守りたいなら、歯科検診は是非、定期的に受けてください。お待ちしております。

 

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歯周病と全身疾患の関係

  • 2019年02月18日

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放置すると歯を失うこともある歯周病。実は歯周病は口の中だけの病気ではありません。全身の様々な病気に深く関わっています。

 

今回は歯周病と全身疾患の関係についてお話ししたいと思います。

 

歯周病菌が認知症の人の脳や心筋梗塞を起こした人の心臓、肝炎を起こした人の肝臓、がんや大動脈瘤、リウマチ等口以外のさまざまな所から見つかっているそうです。歯周病菌がそれらの病気を引き起こす詳しいメカニズムはまだ解明されていないものの、何かしら関連があると考えられます。

今後研究が進めば歯周病菌と他の病気との関係がもっと分かってくると予想されます。なぜ歯周病菌が体内に入りこめるかというと、菌が歯茎の下の血管まで進み穴を開け、血管に侵入する為です。血管に入れば全身に回ることができ、それぞれの場所で悪さをすると考えられています。歯周病の予防、改善には口内フローラを整えることが大切だと言われています。改善策をご紹介したいと思います

口内フローラの改善策

 

  • シャカシャカ歯磨き
  • 力を入れすぎない:歯ブラシはぎゅっと握るのではなく、鉛筆を持つように軽く持つと、よけいな力が入りにくく、細かく動かしやすい。磨く順番を決める:順番を決めずに磨くと磨き忘れの原因になるので一筆書きの要領で磨き忘れ防止を。最後に噛む面を磨きましょう。

小刻みに一ヶ所10秒磨く:歯と歯の間に歯ブラシの毛先が届く様に、動かし方は小さな幅で小刻みに。イメージとしてはゴシゴシではなくシャカシャカ。

 

2、デンタルフロスと歯間ブラシ

 

歯間ブラシ:歯間に隙間がある人にお勧めです。

歯間ブラシは歯茎が下がっていたり、歯間に隙間がある人向け。サイズが豊富にあるので、自分の歯間の広さにあったものを。L字タイプは奥歯に届きやすい。サイズが会わないブラシを無理に入れると、歯茎を痛めるので要注意です。

 

デンタルフロス:指巻きタイプが苦手な人向け

フロスを指に巻いて使うのが苦手な人は、ホルダータイプを。手軽に繰り返して使えます。交換を定期的!持ち手の部分がしなるので耐久性のあるものを選んで下さい! デンタルフロスの指巻きタイプでは、歯と歯の間にゆっくり入れてプラークを絡めとり、4、5回上下に動かして下さい。糸が歯と歯の間を通過したら、cの字になるように密着させましょう。

 

口内フローラを整えるには日々の口内ケアがとても肝心です。毎日のケアを心がけて歯周病予防に努めましょう。

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インプラントができない?パート2

  • 2019年02月11日

皆さん、こんにちは。

 

明石市・三木市・垂水区・須磨区からも通いやすい神戸市西区の歯科医院(歯科・歯医者)(明石駅)

 

アイリス歯科クリニック 院長の飯村です。

 

今回も前回に引き続き『インプラントの危険因子と制限』についてお伝えしたいと思います。 前回は、年齢・喫煙・金属アレルギー・妊娠におけるインプラントの注意点を挙げました。 今回はインプラントで注意が必要な全身疾患について述べていこうと思います。

(1)糖尿病

糖尿病とは血糖値を下げるホルモンであるインスリンがうまく産生されない、またはうまく受容されないことにより高血糖になってしまう代謝性疾患です。 高血糖による微小血管障害により様々な臓器障害が起きるとともに、細菌感染に対する抵抗力が低下します。 細菌感染に対する抵抗力が低下し、創傷治癒が悪いため、血糖値がコントロールされていない糖尿病の方はインプラントができません。 食生活習慣の改善と内服薬により治療を行い、血糖値コントロールの指標であるHbA₁c(JSD)の値が7.0未満でなければインプラントは不可とされています。

(2)高血圧

高血圧とは、収縮期血圧140以上または拡張期血圧90以上の状態をいいます。血圧は興奮や緊張状態になると上昇するため、緊張を伴い手術侵襲のあるインプラント手術において注意をする必要があります。 高血圧はその血圧分類(Ⅰ度:140-159/90-99、Ⅱ度:160-179/100-109、Ⅲ度:180-/110-)とその他のリスク因子(第一層:危険因子なし、第二層:糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタボリックシンドローム、第三層:糖尿病、CKD、臓器障害、心血管病の3個以上の危険因子)から低リスク群、中等リスク群、高リスク群の3段階に分けられます。 高リスク群は単純な1~2本の埋入まで、中等リスク群は数本の埋入までとされています。

(3)抗血栓薬服用

抗血栓薬とは、心疾患、脳血管疾患、血液疾患などの治療で服用するアスピリン、ワーファリン、ダビガトラン、エドキサバンなどの血液がサラサラになる薬のことです。 インプラント手術では出血が伴うため、血が止まりにくい上記の薬を服用している場合リスクがあります。 止血時間の指標であるPT-INRが2.5以下で単純な1~2本の埋入まで、1.5以下で複数本の埋入まで可とされています。

(4)骨吸収抑制剤服用

悪性腫瘍や骨粗鬆症の治療で使用されるビスフォスフォネート(BP)製剤、デノスマブなどの骨吸収抑制剤にはMRONJ(薬剤関連性顎骨壊死)を起こすリスクがあります。 MRONJとは、上記の薬を使用中または過去に使用していた患者が、抜歯やインプラントなどの顎骨への侵襲なある治療や虫歯や歯周病などの放置により顎骨が感染し壊死に陥る病気です。骨吸収抑制の作用により骨の感染抵抗性が低下し、顎骨壊死を招いてしまいます。 悪性腫瘍治療中の場合はもちろんインプラントは不可です。 骨粗鬆症で使用した場合は、4年以上の使用または4年未満でもステロイド併用ならインプラント手術前後2か月は休薬しなければなりません。もしも休薬できないならばインプラントは不可です。

以上に挙げた全身疾患以外にもステロイド治療や免疫抑制剤治療をされている場合など他にもインプラントのリスク、制限はあります。 インプラントをしたいけれども全身の病気が心配な方は、病気の主治医と歯科医師に相談してみて下さい。

 

 

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